No.07
雄也さん 青森県出身 智香子さん 秋田県出身

程熊雄也さん 智香子さん

空き家を購入し、自分たちでDIYしたり、庭の畑で野菜を育てたりしながら、田舎暮らしを満喫しているご家族。夫の雄也さんは、穀町にある「遠野学習塾」の塾長を務め、現在は妻の智香子さんとともに、今年生まれた娘の凜ちゃんの子育てにも夫婦力を合わせて励んでいる。
DIYや畑仕事などの様子はYouTube「遠野市移住チャンネル」で発信中。
遠野学習塾HPはこちらからご覧いただけます。

遠野は自分らしく暮らすことができる

「楽しい学習塾」をつくるため、遠野へ移住したと語る夫の雄也さん。もともと務めていた塾での、点数にとらわれすぎる指導に不満をもったことがきっかけだったという。自然豊かなこの地で、自分らしく、ゆったりと暮らす今に至るまでには、数々のドラマがあったようだ。笑い話にしながら語るお二人の移住のエピソードを、DIY真っ只中のご自宅で伺った。

遠野に移住してきたきっかけはなんですか?

いくつも理由が重なっているんですが、仕事をするうえで遠野が良かったというのが一番大きい理由です。もともと自分で塾をつくりたいと考えていて、都会でやろうとすると大手に埋もれてしまう可能性がある。だから都会ではなく地方で塾を開きたいという思いがあり、なおかつのんびり過ごせる場所を探す中で遠野に住むことを決めました。(雄也さん)

当時遠距離恋愛をしていたのですが、知らぬ間に彼がひとりで遠野へ住むことを決めていて、気づいたときには彼だけ遠野に移住していました(笑)。事後報告でしたね(笑)。結婚を機に、彼に続いて遠野に移住しました。(智香子さん)

信念を形にした「遠野学習塾」

遠野のどんなところが気に入っていますか?

遠野の気に入っているところはいっぱいありますが、「遠野時間」といった、ゆっくり流れている時間の感覚とかは特にも移住して良かったなあと思いますね。遠野に来る前は、秋田市でサラリーマンをしていたんですが、そこでの暮らしは一日単位で生活を捉えていたのに対し、遠野では午前は畑仕事をして、午後は塾の講師をするという風にライフスタイルが変化したことにより、一年単位という長いスパンで暮らしを考えられるようになりました。例えば、来年はこの種を蒔こうとか、来年は家の壁をこう直したいとか、そんな風に心に余裕をもって暮らせていると感じますね。(雄也さん)

秋田県から引っ越してきた身とすると、遠野の天気は夏も冬も一年通して快適だなあと感じますね。日本海側は曇りや雪の日が多いので、それに比べるととても過ごしやすいです。それからサバサバした人柄の方が多いのにも救われていますね。(智香子さん)

これまでを振り返る雄也さんと智香子さん
  •       今年誕生した娘の凜ちゃん
  • 凜ちゃんに配慮してリフォームされたお部屋

地域のかたとの関わりはどうですか?

僕は平倉神楽という郷土芸能団体に入っているのですが、その中でよく顔を合わせる方が実はお隣さんで、そのつながりの中で仲良くなりましたね。それから、秋田市に住んでいた頃にはなかなか友人ができなかったんですが、うんと人口の少ない遠野に来てからは、友人がすごく増えたのが不思議に思いますが、良かったなあと感じますね(笑)。(雄也さん)

遠野に移住してから、困ったことや感じたことはありますか?

遠野には産婦人科がないので、盛岡の産婦人科まで多い時で2週間に1回くらい通っていたので、近くに病院があれば良いと思いますね。皆さんによく心配される寒さや雪は、自分たちが東北出身だったこともあり、まったく問題なかったですね。むしろ、秋田市に比べて積雪も少ない分暮らしやすいと感じることの方が多いです。(雄也さん)

古民家暮らしゆえある程度は仕方ないことなんですが、家によく虫が出るので、住みはじめた当初はしょっちゅう騒いでいました。今は彼がリフォームを頑張ってくれたお陰で、だいぶ軽減しましたが、今でも虫には慣れないですね。(智香子さん)

時間を見つけてはDIYに取り組んでいる。
  •    古民家ならではのいで立ちが素敵な外観
  • あたたかい雰囲気で落ち着く塾内

これからやってみたいことは何ですか?

まず家の改修をどんどんすすめていきたいですね。
それから、家の目の前にある休耕田を畑に耕して、自分たちで食べる野菜をつくりたいです。娘が大きくなっていずれ家を出たときに、親戚に必ず一人はいる、「野菜をいっぱい送ってくるおじいちゃん」みたいになりたいですね(笑)。(雄也さん)

やってみたいこととは少し違うかもしれませんが、娘が外に出て遊ぶようになったときに虫を見ても怖がらない強い母親になりたいですね。自分自身、虫だけじゃなく、些細な事に対しても怖がってしまう部分があるので、娘には強く成長してほしいと思います。親が怖がっていると、子どもも怖がってしまうと思うので。せっかく遠野に来たので、自然に触れながら、みんなで虫取りをして遊べるような家族になりたいですね。(智香子さん)

娘には強い子になってほしいと語る智香子さん

遠野へ移住を考えている方へ一言お願いします。

遠野では各々のライフスタイルや希望に応じた生活の仕方や楽しみ方があると思います。僕が遠野へ移住する前にネットで調べた情報では、遠野は隣近所のお付き合いがとても大切という情報を目にしたんですが、そういう情報を聞くと、近所付き合いがネックとなり遠野には移住しにくいなと考える方もいるかもしれません。でも、住む地域によってご近所さんとの密着度は異なるので、自分が実現したい生活にあわせて住む場所を選んでいけば良いのではないかなと思います。
それから、冬はマイナス15度になるよと話をすると驚かれる方が多いんですが、だいたいその時間は外にいることのほうが少ないので安心してください(笑)。その時間帯は家で暖かく過ごせば良いので、数字に惑わされることなく、遠野に来てほしいなと思います。(雄也さん)

先輩移住として語る雄也さん
遠野で一番お気に入りの風景

担当者Fのつぶやき

家をDIYしながら遠野らしい生活を営むご家族、素直に憧れます!お話を聞いていても、色々な地域を見た中で本当に気に入ってくれて遠野へ来てくれたのだなと感じ、私も嬉しくなりました。これからどんなお家になるのか、どんなお野菜ができるのか、楽しみです。