No.06
滋賀県出身

打越 義之さん 美保子さん

宿泊業・飲食業・農業・ドッグトレーナー・狩猟の5つを生業とし、附馬牛町で「つくしファーム」を営むご夫婦。
つくしファームHP

遠野はやりたいことができる場所

「たくさんの人に助けられながら、ここまでくることができました。」
そう話すのは、遠野に移住し、未経験からブルーベリー農園や農家民宿、ドッグスクールを始めたご夫婦。
関西出身のお二人の掛け合いに笑い声があふれる中、附馬牛の大自然に囲まれた暮らしを「つくしファーム」で伺った。

遠野に移住してきたきっかけはなんですか?

たまたま僕たちのやりたい5つのこと、「宿泊業・飲食業・農業・ドッグトレーナー・狩猟」のすべて実現できる場所が遠野だったんです。そもそも僕のやりたいことの原点となったのが、「農的生活12ヶ月」という本との出会いですね。北海道の余市郡にアリス・ファームというところがあって、そこの奥さん宇土巻子さんが書いた本だったんですが、当時住んでいた滋賀県の図書館でたまたま手にし、「農」を中心に据えた自然と共生する心豊かな暮らしに感動し、自分もこういう生活をしてみたいと思ったことがきっかけですね。

僕は関西出身なので、もともとは関西で物件を探していましたが、なかなか見つからず、10年くらい探して諦めかけたときに、今の家と出会いました。
ブルーベリー畑などの広い土地がついて、ドッグランも作れる、自分のやりたいことができると思い、すぐにここに住むことを決意しました。(義之さん)

ドッグランで走る愛犬のサン
広大なブルーベリー畑を臨むつくしファーム

遠野のどんなところが気に入っていますか?

人があたたかいところ、それに尽きますね。おすそわけをいただくことも多いですし、周りの人たちが僕たちのことを本当に心配して、色々助けてくれます。だから、僕たちもみなさんにできることをして、助け合って暮らしていますね。(義之さん)

人間関係はすごくベストでしたね。よそから引っ越してきたので、移住する前は、近所付き合いが一番の心配ごとでした。でも、ここはみなさんウェルカムな雰囲気の方が多くて、すごくよかったなと思っています。
私は「持ちつ持たれつ」という言葉がすごく好きなんですけど、まさにここではそういう付き合いをしていますね。
地域には人も少ないし、皆さんそれぞれいろんな役割を持っていますから、私ができることならお手伝いできればなあと思っています。そんなことを思っていたら、今年はいつの間にか「安全委員会母の会の会長」になっていましたね(笑)。(美保子さん)

これまでを振り返る義之さんと美保子さん

地域のかたとの関わりはどうですか?

農泊や教育旅行の受入組織に加わっているので、各地域の民泊・民宿仲間との付き合いはけっこうありますね。

観光ガイドにも登録していて、色んなところで知り合いができるので、スーパーとか買い物に行くと、誰かしらには会います(笑)。

それから、地域の消防団メンバーが月一で集まる「つくし会」という男だけの飲み会を開いて、どんちゃん騒ぎしています(笑)。(義之さん)

つくしファームをオープンしたてのころ、どんなところなのか皆さんに知ってもらいたくて、商工会でリーフレットを作り、「ブルーベリーの観光摘取園をします」って周知しました。でもなかなかお客さんが来ず、まだまだ認知されていないのだと思いました。

もともとお好み焼きを作るのが好きだったこともあり、ちょうどコロナ禍で時間的にも余裕があったので、近所の人やいろんな人にお好み焼きを食べに来てもらおうと、このタイミングで飲食業をとったんです。
お好み焼きを食べた人から、「つくしファームって、お好み焼き食べられて、ブルーベリーの摘み取り体験もできる場所なんだって」と、遠野の人はもちろん、いろんな人に知ってもらいたいと思ったんですよ。

今では、地域の人が気軽に食べてきてくれたり、遠方からリピーターで来て下さる方もいてありがたいです。(美保子さん)

ファンになる方続出!手作りの絶品お好み焼き

遠野に移住してから、困ったことや感じたことはありますか?

今のところないですね。強いて言うなら、農業をする中で、天候や獣害など、どうしようもない部分で困ることはありますが、それ以外は人間関係や生活で困ったことはないですね。(義之さん)

大切に育てられたブルーベリーの農園
つくしファームで育った大粒のブルーベリー

これからやってみたいことは何ですか?

今ヤギ2匹を敷地内に放して飼っているんですが、いずれは牛や馬も放牧してみたいですね。たとえば、牛や馬を放牧する場所を探している方がいれば、喜んで敷地を提供したいです。ヴィジュアル的にも牛や馬がいたら良い絵になりそうですよね。
それから、遠野に新規就農して、ヒツジやヤギを飼育したいと思う方に、つくしファームの入口にある畜舎と空き家を貸すこともできればいいですね。(義之さん)

絵になりそうな広大な放牧地

遠野へ移住を考えている方へ一言お願いします。

遠野は自分たちがやりたいことができるところ。今わたしたちが行っているブルーベリー栽培も農家民宿も素人ながら始めたことです。
でも地域の人たちや中間サポート団体の方々など、たくさんの人に助けられながら、ここまでくることができました。
ぜひ移住に興味がある人がいれば、ひとりでなんとかしようとせず、困っていることは遠慮なく地域の人に助けてもらってほしいなと思います。(美保子さん)

愛犬たち

  • ラブラドール・レトリバーのダイ
  • プロット・ハウンドのサン
  • オーストラリアン・ケルピーのナナ

担当者Yのつぶやき

義之さんの探究心と行動力、それを支える美保子さん。おふたりの話しを聞いていると、あっという間に時間が過ぎてしまいました。移住を考えているみなさん、大自然の中でおいしい空気と料理を堪能できるつくしファームにぜひ遊びに来てみてはいかがでしょうか。