No.04
埼玉県久喜市出身

坂口 秀美さん

2021年10月地域おこし協力隊として遠野市に着任。
こんたでぃーの遠野で広報を担当する。
こんたでぃーの遠野HP

奥深い農的な暮らしに魅了された

「困ったときは周りの人がすぐ助けてくれる。遠野の人は温かいなあと感じます。」
笑顔でそう話すのは、2021年10月地域おこし協力隊として、遠野に着任した坂口さん。その穏やかな雰囲気からは想像できない行動力の源を、職場である「旧上郷中学校」でお話を伺った。

遠野に移住してきたきっかけはなんですか?

日本の農業を知りたくて全国の農家さんを訪問する旅をしている中で、遠野をはじめて訪れました。そこで遠野の奥深い農的な暮らしに魅了されたのが移住のきっかけです。
最初に遠野を訪れることになったのは、以前住んでいた福岡で職場の同僚から、遠野でホップ農家をしているというお兄さんを紹介してもらったことがきっかけでした。初めて訪れた遠野のホップ農家はちょうど農繁期で、1週間くらいホップの蔓下げの作業を行ったのですが、すごく暑くて大変で。でもそんな中に、こびるがあったり、地域の人たちがお互い作業の応援に行き来していたりするのを間近で目にし、地域で支えあっている農業の形が今も遠野では残っているんだと感じました。

にんじん農家さんを取材。

遠野のどんなところが気に入っていますか?

遠野は森や自然が豊かで、散歩や車で道をただ歩いているだけでも楽しいところですね。自分で散歩するほかにも、この間「ムーンライトハイキング」というイベントに参加したのですが、月灯りの下で丘を登ってソリで滑るというもので、すごく楽しかったですね。
それから、地域の人々の暮らしに、がんづきのような昔からあるおやつや、ひな祭りのイベントといった、遠野ではあたりまえになっている日常の中に、文化や伝統が継承されているのがすごいなあって思いますし、日々いろいろな発見がありますね。

青空が映えわたる新緑の水田。

地域のかたとの関わりはどうですか?

仕事柄いろんな人と関わる機会が多くて、よく地域の人に声をかけていただきます。今空き家を探しているんですが、周りの人が「あの空き家借りられるらしいよ」と教えてくれたり、車が雪に刺さったときには通りすがりの人が助けてくれたりと、地域の皆さんに見守られながら暮らしているという実感はありますね。
移住の先輩に優しくしていただいていて、すでに繋がっている地域の人と私をつないでくれたり、さらにそこからまた新しい人と出会ったりとかは多いですね。それから私自身、今後就農を考えているので、地域の農家さんに相談にも乗っていただいています。

わさび農家さんのお手伝い。

遠野に移住してから、困ったことや感じたことはありますか?

農的な暮らしをしたいと思ったときに、市街地ではなく、郊外にある土地で周りに畑がある空き家に暮らすことがベストだと考えているんですが、丁度良い空き家がないのが悩ましいですね。

これからやってみたいことは何ですか?

地域の農家さんが育てた農作物の背景がしっかり伝わるブランディングをして、農産物の販路開拓を行っていきたいですね。また、自分自身も安心安全で、美味しい農作物を育てながら、環境に配慮した農業のやり方を模索していきたいです。そして土に触れる機会やイベントを通して農家さんを知ってもらうことで、ゆくゆくは食と農に関わる人が増えていけば良いなあと考えています。

こんたでぃーの遠野で商品会議をするスタッフ。

遠野へ移住を考えている方へ一言お願いします。

「まずは一度きてみたら。」と言いたいですね(笑)インターネットでは分からない人の温かさや伝統文化への熱量とか、来てみるとすぐに肌で感じることができるので、それを体感して、どの地域が自分にあうのか、どんな暮らしがしたいのか、いろいろ周りながら考えてみていただければ幸いです。

宮守の清流で育まれた自慢のワサビ。
附馬牛に行く途中の車窓から。

担当者Kのつぶやき

内面からあふれ出す笑顔とは対照的に、「農」について語る際の真剣な眼差しがとても印象的でした。
遠野の基幹産業「農業」。その在り方をブラッシュアップしていく様子に、今後も目が離せなくなりそうです!