- で・くらす遠野 - https://dekurasu-tono.jp -

春 稲荷穴からデンデラ野

  5月3日に満開の桜。関東から来た自分にとっては2回目の春でした。山に囲まれた景色の中で眺める桜は、都市部とは違った趣がありますね。木々の新緑が目に美しい山々と、あちこちに彩を添える桜色。山桜は平地の桜よりも開花が遅いらしいのですが、今年はほぼ同時だったと聞きました。遠野中に淡い春の色が広がっています。綺麗。

 天気のいい日だったので、稲荷穴を見に行ってきました。洞内は千メートル近くあり、洞窟学においても興味深い場所だそう。(参考:『宮守風土記』平27・遠野文化研究センター)

 ここの湧き水でつくられるわさびのおいしさを知っていると、「遺産」という言葉に頷くしかありません。

 その後は県道160号線を通って土淵方面へ。

 駒木付近の石碑の群。落ちかかった日を背負った姿が幻想的です。

そしてデンデラ野に行く…。

 水木さんが「まんが遠野物語」で描かれたうら寂しさを肌で感じました。ちょうど日暮れの時間なので、一層物悲しい感じがします。

 冷えた風が足の間を吹き抜ける…。聞こえるのは山鳥の声と草のそよぐ音だけ。漂う空気は昼間とは打って変わって冷気に満ちていて、なんとなく遠い場所に来たことを思い知らされました。

 人が存在しない自然の景色を前にした時、胸に去来する寂寥感も、遠野に来て知ったことの一つです。

 『遠野物語』では60を過ぎた老人たちが追いやられる場所として書かれるデンデラ野。(『遠野物語』111話)

 こことダンノハナについては色々なお話がありますが、話を読むのと目で見て肌で感じるのはやはり違いますね。この感じは足を運ばないと分かりません。一度行ってみたいと思っていたので、願いが叶ってよかった。

Pocket